会議にふさわしい場を作る
会議を行なう会場の設営も事務職の仕事に含まれます。
規模の大きな会場の場合は周囲と協力して、会議の性質にふさわしい会場設営が出来るように努めましょう。
テーブルと椅子の配置あれこれ
会議を行なう会場の設営方式にもいろいろな種類があります。
会場の作り方は会議の形式と密接に関わっていますので、今回のレッスンと併せてLesson 8-3をもう一度読み返してみてください。
以下に、おもなテーブルと椅子の配置図をいくつか紹介していきます。
なお、図中のピンクの点は進行役(ファシリテーター、コーディネーターなど)を表します。
- 円卓式の配置

Lesson 8-3で学習した円卓会議の際は、円卓と椅子を図のように配置します。
進行役を除いて、座席に席次がないのがわかりますか。
円卓式配置のもうひとつのメリットは、参加者が他の参加者全員の顔を見やすいことです。序列を気にすることなく、相手の顔を見ながら意見の交換をすることができます。
ただ、円卓の大きさには限度があるため、あまり人数の多い会議には向きません。
最大でも20名程度が限度だと心得ておきましょう。
- ロの字型の配置

ロの字型のテーブル配置にも、円卓式と同じようなメリットがあります。また、ロの字型配置はテーブルの数を増やすことで、ある程度人数が多い場合にも対応できます。
上の図は円卓式の配置と同じように席次を設けないことを想定していますが、進行役が座っている位置を上座とはっきり定めた場合は、その対面には席を設けないようにします。
上の図でいうと、ロの字に配置したテーブルにコの字型に着席することになります。
円卓式、ロの字型の配置は、活発な意見の交換や意見の量を重視する円卓式会議やブレーンストーミングに向いています。
- コの字型の配置

ロの字型配置の変形ともいえるのが、コの字型のテーブル配置です。
参加者はお互いの顔を見ながら意見を交換することができ、さらに進行役に顔を向けることも容易です。
進行に必要なホワイトボードやスクリーンなどを見るためにも、コの字型の配置は有用です。
- V字型の配置

V字型のテーブル配置は、コの字型のテーブル配置よりも前方が見やすくなるので、ホワイトボードやスクリーンを利用する頻度が高いときに便利です。
参加者の数がそれほど多くないときは、コの字型にテーブルを配置するよりV字型に配置するほうが良いでしょう。
コの字型、V字型のテーブル配置は、研修会や研究発表会などでよく用いられます。
- 教室型の配置

株主総会などの規模の大きい会議や、報告・連絡会議のようにリーダー(進行役)が一方的に参加者に情報伝達を行なう場合は、図のような教室型のテーブル配置が便利です。
また、教室型という名前の通り、視覚資料を見ながらメモをとったり手許の資料を参照しやすいので、研修会やセミナー等にも向いています。
- 馬蹄型の配置

シンポジウムやフォーラムなど、特に規模の大きな会議の場合には馬蹄型のテーブル配置も便利です。国際会議などでもよく用いられるので、テレビ等で目にした方もいるかもしれません。
上の図では、発表者(議長や進行役)が左側のテーブルに座り、その他の参加者は彼らの表情が見えるように着席しています。
馬蹄型のテーブル配置は、テーブルや椅子も相当量が必要となります。
また、発表者から離れた位置のテーブルからでもきちんと発表者が見えるように配慮することも大切です。
- 島型の配置


大きな会場に、小規模なグループをたくさん作るのが島型のテーブル配置です。
グループディスカッションやバズセッション、それらを伴う研修などに向いています。
ここでは二通りの配置を挙げてみましたが、規模や会議の性質によって様々な組み合わせが可能なので、ぜひ工夫してみましょう。
機器の準備

上の図にもあるように、会議ではテーブルや椅子以外に、プロジェクターやスクリーン、マイクなど、必要なものが出てきます。
事前に会議の内容を把握しておき、何が必要かを確認します。
社外で行なう会議の場合は、会場に備え付けのものや貸出可能なものはあるかを確かめておきましょう。ホワイトボード用のマーカーなどの消耗品は、万が一に備えて予備の用意も必要です。
Lesson 9-5 まとめ
- 会議にふさわしい会場設営…会場の作り方は会議の形式と密接に関わっている。
- 会議に伴い必要となる機器は早めに把握、準備する。