日常業務のなかの会議

前回学習した株主総会や取締役会は、年に数回だけ催される特に重要な会議です。
しかしもちろん、会議はそれだけではありません。日々の企業活動のなかで、様々な会議が行なわれています。
事務職として関わることが多いのも、これら日常業務として行なわれる会議ではないでしょうか。
今回は、それぞれの会議の特色についてみていきましょう。

• 報告・連絡会議（説明会議）

あるプロジェクトや案件について、担当者や意思決定者が持っている情報を参加者に説明することを目的とした会議です。
基本的にはトップダウン的な一方通行型の会議ですが、質疑応答などを行ない、参加者全員で情報を精査、共有をした上で再度意思決定者が決定を下す、という場合もあります。

決定内容についての細かなニュアンス（方向性や意思決定者の意気込み）などを共有し、参加者の意思統一を図り意欲を高めることも重要な目的のひとつです。

• 問題解決会議（意思決定会議）

上に挙げた報告・連絡会議のようなトップダウン型の会議とは異なり、その名の通り決定すべき問題・議題について参加者全員で議論し結論を出すために行なわれるのが、問題解決会議です。
議題が全く白紙の状態から始められるのではなく、執行部（組織運営の担当機関）などが提出した議題を土台にして議論を発展させていくのが一般的な方法です。

意思決定者は基本的には自分の意見を言わずに、参加者から様々な意見を引き出し、最終的な判断を下します。
意思決定者にはその判断について、参加者にとって納得のいく説明をする責任が伴います。

• 問題発見型会議

その名の通り、なにか問題が発生した際に、問題を迅速に解決するために開かれる会議です。
トラブルを未然に防ぐ防止策を練るために開かれることもあります。
どちらの場合にしても、問題の本質をしっかり把握し見極めることができないと、問題を解決することはできません。問題発見型会議は、職場の上下関係などにとらわれず誰もが発言できるよう徹底することが求められます。

このカリキュラムの冒頭、Lesson 1-2で事務職に求められる能力として、問題発見・解決能力を挙げましたが、覚えていますか？
もし、会議の参加者として出席する場合には、この能力をフルに活かして、問題の解決につなげましょう。

• 研究会議（研究発表会議）

参加者がこれまでに行なってきた研究の成果を発表する会議です。
複数の参加者がお互いの発表を聞き、質疑応答を行なうことで思考を活発化させ、相互啓発をする場でもあります。

• アイディア出し会議（ブレーンストーミング）

新商品の開発や宣伝戦略を練るために、プロジェクトの最も初期段階に設けられるのがアイディア出し会議です。ブレーンストーミングという呼び名で広く知られています。
アイディア出し会議の大きな特徴は、必ずしもここで結論を出す必要がないということです。
それよりも、いかに参加者から多種多様で斬新なアイディアを多く引き出せるかが重要視されます。
そのため、ブレーンストーミングに特有のルールとして、「他人が出したアイディアを否定しない」「他人が出したアイディアを発展させる形の提案でも構わない」「実現不可能、荒唐無稽と思われるアイディアでも構わない」などがあります。問題発見型会議と同じように、役職の低い参加者が萎縮しないような場を作ることが大切です。

Lesson 7-4で資料管理について学んだ際に、日頃から気になった情報をスクラップしたり書き留めたりしておくと、思わぬアイディアにつながることがあると書きました。
ブレーンストームに参加し、生活のなかでのインプットが思いもよらない形でアウトプットされると、会社の役に立てた喜びを実感できるはずです。

• 研修会議（教育・訓練会議）

新人教育方式のひとつで、技術や知識を習得させるために開かれる会議です。
新人教育研修、専門技術研修などが主なものとして挙げられます。
技術や知識の伝達がメインではありますが、研究会議と同じように参加者同士の相互啓発も期待されることが多いようです。

Lesson 9-2 まとめ

• 報告・連絡会議（説明会議）…ある案件について、担当者が持っている情報を参加者に説明することを目的とした会議。
• 問題解決会議（意思決定会議）…決定すべき問題について参加者全員で議論し結論を出すために行なわれる会議。
• 問題発見型会議…なにか問題が発生した際に迅速な解決を図るため、またはトラブルを未然に防ぐために開かれる会議。
• 研究会議（研究発表会議）…参加者がこれまでに行なってきた研究の成果を発表する会議。
• アイディア出し会議（ブレーンストーミング）…新商品の開発や宣伝戦略を練るために、プロジェクトの最も初期段階に設けられる会議。結論を出すことではなく、多種多様で斬新なアイディアを多く引き出せるかが重要。
• 研修会議（教育・訓練会議）…新人教育方式のひとつとして、技術や知識を習得させるために開かれる会議。