事務職と会議
企業では、その運営のために毎日のように会議が行なわれています。
事務職が会議に関わる場合は、会場の準備や会議資料の作成、参加者への通知と会議資料の配布を行ないます。
また、場合によっては会議の進行や進行のサポートを任されることもあるようです。
文書作成、プレゼンテーション資料の作成についてはこれまでに学んできましたので、Lesson 8ではおもに事前準備、会議の進行、事後の処理について見ていきましょう。
今回はまず、会議の種類について、詳しく見ていきます。

株式会社にとって特に重要な会議
ひとくちに会議といっても、その内容は様々です。
まずは、株式会社にとって特に重要度の高い会議について見ていきます。
ややこしい専門用語もいくつか出てきますが、完璧に覚える必要はありません。
まずは個々の会議の大まかな性格を把握すれば大丈夫です。
- 株主総会
株主総会は株式会社の最高意思決定機関であり、会社にとってもっとも重要な会議です。その開催時期によって、決算承認や剰余金分配決議、役員選任決議を行う定時株主総会と、重大な決定事項(会社分割や株式交換など)が発生したときに開かれる臨時株主総会があり、年1回必ず開催することが義務づけられています。
出席者は会社の株主です。
株主はいわば会社のオーナーであり、株主総会が会社にとって重大な意味を持つ所以です。
株主はそれぞれの持ち株数に応じて議決権を持っています。
3月決算の会社の定時株主総会は、6月下旬に集中する傾向があります。
また、一般の個人株主が参加しやすいように配慮して、開催日を土日に設定する会社が増えてきています。
- 取締役会
株主総会で専任された取締役で構成されるのが取締役会です。
「役会」と略されることが多いようです。企業活動全般に関する基本方針を議論、決定します。
公開会社(規模の大きい上場企業など)では設置が義務づけられていますが、その他の株式会社では取締役会を設置しないところもあります。
また、特例有限会社(2006年の会社法施行以前に有限会社だった株式会社)では取締役会を設置することができません。
代表取締役の選定と解職、取締役や要職にある社員の専任と解任や、支店・支社など重要な組織の設置と変更などを決議します。
半数以上の取締役の出席で成り立ち、決議にも出席者の過半数が必要です。
- 常務会
常務会は株主総会や取締役会とは違って、法律で定められた会議ではありません。
しかし、実質的に会社を動かしているのは、他ならぬ常務会です。
重役会議、最高経営会議・常勤役員会・専務会などと呼ばれることもあります。
常務以上の取締役が出席し、会社にとっての重要事項を話し合います。
Lesson 9-1 まとめ
- 株主総会…株主が出席する、株式会社の最高意思決定機関。決算承認や剰余金分配決議、役員選任決議を行なう定時株主総会、重大な決定事項が発声した際に開かれる臨時株主総会がある。
- 取締役会…株主総会で専任された取締役で構成される。議題は代表取締役や要職の専任と解任、支店・支社など重要な組織の設置と変更など。
- 常務会…常務以上の取締役が出席する、実質的に会社を動かす会議。重役会議、最高経営会議などとも呼ばれる。