Lesson 8-4 オフィス環境の整備

快適な環境で働くために

社員が気持ち良く働くことが出来るように、オフィスの環境を整えるのも事務職の大切な仕事です。これまでLesson 8では、オフィス機器や事務用品の管理について学習してきました。
今回は、より環境面に沿った内容を見ていきたいと思います。

気持ちの良い温度・湿度

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冷房の効きすぎたオフィスやお店で真夏なのに寒い思いをしたり、その逆で真冬なのに、暖房の効きすぎた満員電車で汗だくになりコートを脱ぐこともできずに困った…。
そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。

温度や湿度は、低すぎても高すぎても人間には不快なものです。
不快なだけではなく、体調を崩してしまうこともあります。
社員が快適に働けるように温度と湿度を管理することも事務職の役目です。

一般的に、人が快適に過ごすことができる環境は、気温25℃前後、湿度50%前後といわれています。
この数値を基準としてオフィスの環境を整えましょう。

空調の温度は、以下を目安にします。

  • 春・秋… 22〜24℃
  • 夏… 25〜28℃
  • 冬… 18〜20℃

パソコンの体温

近年は節電意識の高まりもあって、夏は室内気温を27〜28℃に設定しているオフィスも多いようです。それでも涼しいと感じている方は少ないのではないでしょうか。
理由として考えられるのは湿度とOA機器の出す熱です。
パソコンなどのOA機器は、内部にファンを備えていることからもわかるように、絶えず熱を出しています。そのため、空調の設定温度より室内気温が上昇してしまうと考えられます。

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また、気温が低く保たれていても、湿度が高いと人間は涼しさを感じることができません。
特に梅雨や夏場は湿気が高くなりがちです。
湿度を50%以下に保つようにすると、暑さもやわらぎます。

しかし、湿度が低すぎるとドライアイになる可能性が増えるなど、弊害もあります。
夏とは逆に乾燥しがちな冬場は、風邪やインフルエンザに感染する可能性も大きくなります。
湿度が高いと涼しさを感じられないのと同じように、湿度が低いと暖かさを感じることができません。冬場は湿度を40%以上に保つように心がけましょう。季節や天気に合わせた温度・湿度管理が大切です。

空気の流れ

気温や湿度を設定したら、空気の流れにも気をつけましょう。
寒い日や雨の日は窓を閉めたままにしがちです。少し換気する時間を作るだけでも、オフィス内に新鮮な空気が入ってきます。
また、暖かい空気ほど高いところに溜まります。
暖房をつけていても足下が冷えるのは、空気がうまく流れていないためです。
冬場でも、扇風機を天井に当てたり、暖房の吹出口を少ししたに向けるなど、空気の流れを作る工夫をしましょう。

とはいえ、どれだけ気温や空気の流れに気を配っても、広いオフィスで服装もそれぞれ違う社員全員が快適な環境を作ることは、なかなか困難です。

社員それぞれが、自分の体質に合わせた工夫をすることが求められます。
小さな加湿器や観葉植物を置くだけでも、空気の乾燥を和らげることはできますし、暑い場合はイスにひんやり効果があるクッションを置いたり、小型の扇風機を使うこともできます。
「空調でできるのはここまで」と断ったうえで、社員それぞれが快適になるための工夫は一緒に考えてあげる心遣いが必要です。

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まぶしい?暗い?

温度・湿度と同じように重要なのが、オフィスの照度です。
明るすぎたり、暗すぎる環境では、仕事も捗りません。

会社内の理想的な明るさについては、日本工業規格(JIS)で以下のように定められています。

  • 事務所… 1500〜750ルクス
  • 応接室… 500〜300ルクス
  • 会議室… 750〜300ルクス
  • 役員室… 750〜300ルクス
  • 玄関ホール(昼間)… 1500〜750ルクス
  • 玄関ホール(夜間)… 300〜200ルクス
  • エレベーターホール… 300〜200ルクス

しかし実際には、上記の数値よりも照度を低めに設定している会社が多いようです。
オフィス全体の照度は低く抑えて、あとは社員それぞれが自分の作業に合わせて、手許の照明で明るさの調節をする会社も増えています。
ブラインドを利用して、天気の良い日には自然光を取り入れるのも、目にも優しく精神的にも開放感を感じられる方法です。

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オフィスが暗すぎるのも考えものですが、明るすぎるのも快適性という観点から見ると考えものです。
社員や上司と相談して、快適な照度を探してみましょう。
日頃から照明器具に興味を持って情報を集めておくのも良いでしょう。

毎日のお掃除

オフィスや応接室は、毎日掃除をして汚れていることがないようにします。
特に、応接室はお客様にとっての会社の印象を左右しかねない場所です。
応接セットはきちんと配置されているか、ゴミは落ちていないか、マガジンラックの雑誌は古くなっていないかなど、ここでもお客様や社員への心配りを大切にしましょう。

Lesson 8-4 まとめ

  • 人が快適に過ごすことができる環境は、気温25℃前後、湿度50%前後。
  • 空調の温度は、春・秋… 22〜24℃、夏… 25〜28℃、冬… 18〜20℃に設定する。
  • 空気が澱まないように換気をして、空気の流れにも気を配る。
  • オフィスの照度は、JISの基準を参考に、社員や上司と相談して設定する。