Lesson 1-4 求められる資質(3)

社外の人とのコミュニケーション

これまでにも何度か見てきましたが、電話応対や来客対応は、事務職のメインともいえる重要な仕事です。そう考えるとお客様や取引先など、社外の人と接する機会も多くなるのが自然ですよね。

たとえば、電話でのクレームに対応する場合、相手の真意(話を聞いてほしいだけなのか、謝罪を求めているのか等)を正確に汲み取って対応しないと、さらに相手を怒らせてしまう結果にも繋がりかねません。
そのような場面で必要とされる資質について、今回は考えてみましょう。

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対人折衝能力

Lesson 1-3では、職場の人間関係を良好に保つための心配りや姿勢など、主に社内でのコミュニケーションについて学びました。

その一方で、上記のような、社外の人間と接する場面で主に必要とされるのが、対人折衝能力です。

対人折衝能力とは、人との対話を通して、物事がこちらに有利に運ぶようにしたり、トラブルを避けて有益な結論を導き出す能力を指します。

突発的な出来事に対する瞬時の判断力や、相手が何を求めているのかを理解する洞察力、相手の立場に立って考える想像力などの総称と捉えてもよいでしょう。
やはりLesson 1-3で学んだ、人柄や教養のうえに成り立っているものともいえます。

社外の人間であっても、関係を良好に保っておくに越したことはありません。
豊富な人脈は、いざというときに大きな助けになります。
しかし、取引先とはあくまでも仕事中心のコミュニケーションに徹し、公私の区別は社内の人間以上にきっちりつけることも必要です。

機密保持能力

事務職は業務上、書類の管理にも精通している必要があり、多くの情報に接します。
企業秘密や個人情報を外部に漏らさないように心がける、機密保持能力も重要な資質です。

もし、機密が漏洩するような事態が起きてしまうと、企業の活動に支障が出るばかりではなく、取引先や消費者からの信頼といった、金額に換算できない財産も一気に失うことになります。

そのようなことを防ぐためには、一歩会社の外に出たら、仕事や職場の話をしてはいけません。
家族や友人、親しい取引先の人であっても、企業秘密や社員の個人情報は決して口外してはいけません。秘密は必ず漏れるものと考えておくほうがよいでしょう。
デスク上の書類整理や、機密書類の保管・廃棄についても、普段から大きな注意を払っておく必要があります。

信頼を大切に

繰り返しになりますが、一見すると目立たなくても、事務職の仕事は企業にとってなくてはならない重要なものです。
自分の仕事に誇りを持って、周囲の状況に翻弄されるのではなく、自分で周囲をマネジメントしていくような気持ちで仕事をしていきましょう。
そのためにも、普段から人間関係の風通しを良くして、信頼関係を築いておくことが大切です。

Lesson 1-4 まとめ

社外とも親密な信頼関係を築くために…

  • 対人折衝能力…物事がこちらに有利に運ぶようにしたり、トラブルを避けて有益な結論を導き出す能力。
  • 機密保持能力…企業秘密や個人情報を外部に漏らさない。