Lesson 2-1 受話器を取る前に考えましょう

慣れれば簡単

Lesson 2では、事務職の仕事の中でも大きなウェイトを占める、電話応対について学んでいきます。

電話、特にビジネスでの電話応対に苦手意識を持っている方も、多いのではないでしょうか。
顔の見えない相手と話すのは、誰でも少なからず緊張するものです。
まして、会話の中身が仕事に関することともなれば、言葉遣いにも気を遣わなければなりませんし、正確な情報のやりとりが求められます。

考えているだけで億劫になりそうですが、基本さえきちんと押さえて、あとは慣れてしまえば、難しいことではありません。少しずつ、電話応対のコツをマスターしていきましょう。

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会社の顔

会社を訪問したとき、受付の方に明るい声で応対してもらえば、悪い気はしないはずですし、その会社の第一印象も良くなるでしょう。電話についても同じことが言えます。
電話をかけてきた社外の人にとっては、電話に出た第一声の印象がそのまま会社の第一印象になります。
電話応対では、自分が〈会社の顔〉になるという意識が大切です。

声も見える

電話ではこちらの姿が見えないからといって、油断するのは禁物です。
相手の姿は見えないようで意外と見えているのが電話というものです。
姿勢を崩したり、他の作業をしながらの応対は、声に反映され、相手にもしっかりと伝わってしまいます。当然、誠意のある対応とは受け取ってもらえません。
電話に出る際、かける際には、いったん作業をやめ、姿勢を正して、電話に集中するようにしましょう。背筋を伸ばし、両足はしっかり床に着けるように心がけましょう。

当然、表情も電話応対では大切な要素です。表情は、自分で思っている以上に、声に影響しているものです。

一度、普段の表情で話す自分の声を録音して、聴き返してみましょう。自分でも驚くほど、トーンが低く、そっけなくてぶっきらぼうに感じるはずです。もしかすると、怒っているようにすら感じてしまうかもしれません。

電話応対する際にも、笑顔は必須です。笑顔を作ると、口角が持ち上がって、声のトーンが上がり、通りも良くなります。滑舌が良くなる効果もあります。
笑顔から発される声は、電話の相手に、温かみや爽やかな印象を与えることができるのです。

笑顔を心がけることは、電話応対だけではなく、普段の仕事でも大切です。
口角は、意識しないでいると、どんどん下がっていきます。
事務の仕事は、どうしてもデスクワークが中心になりますので、パソコンや書類に向かって集中していると、自分でも気づかないうちに、険しい表情になってしまいがちです。
もちろん、仕事に集中して取り組むのは素晴らしいことですが、口角が下がっていると実際以上に疲れているように見えたり、暗い印象を周囲に与えてしまいます。

日ごろから、デスクの上に鏡を置いておくなど、自分の表情が確認できる環境を整えておきましょう。電話に出る前に、鏡を見て笑顔を作ることも効果的です。上唇を上げて、前歯をすべて見せるような気持ちで笑顔を作ってみましょう。

口角を上げるために、日ごろから手軽にできるトレーニングについては、コラムを参照してみてください。

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ビジネス電話で必要な3つのこと

ビジネス電話、というと難しく考えてしまいがちですが、本当に大切なことは次の3つです。

  • 明るさ
  • 丁寧さ
  • 正確さ

まずは「明るさ」ですが、冒頭で学んだように、電話応対では〈会社の顔〉として応対することを意識しなければなりません。暗い声や、沈んだトーンは禁物です。
たとえ電話であっても、気持ちの良いコミュニケーションをするために、明るさは欠かせません。

仕事上のやり取りでは「丁寧さ」を心がけましょう。
ビジネスマナーをしっかりと身につけ、正しい敬語を使うことが大切です。
電話の相手によって態度や言葉遣いは様々ですが、どのような相手に対しても、誠実で丁寧な対応をすることが求められます。

「正確さ」を心がけることが、ビジネス上の電話応対ではもっとも大切だといえるでしょう。
相手が携帯電話の場合、電波状況や周囲の雑音などで、通話が聞き取りにくいこともあります。
そのような場合でも常に通話の内容を正確に把握・理解し、的確な対応を取ることが求められます。これは、内線での取り次ぎや伝達にも当てはまります。
正確に内容を伝えられないと、余計な手間を生んだり、大きなミスにつながってしまう可能性もあります。

相手も緊張している?

慣れるまでは、電話応対には緊張が付きものです。しかし、それは相手も同じです。
「言いたいことを正確に伝えられるだろうか…」と、少なからず不安や緊張を抱えているかもしれません。
電話をする際に、まったく緊張しないという人は少ないでしょう。
落ち着いて、誠実に対応することを心がけていれば、それは相手にもきちんと伝わります。
少しずつ、電話応対に慣れていきましょう。

Lesson 2-1 まとめ

  • 電話応対は〈会社の顔〉になることを意識して。
  • 声だけでも多くのことが伝わる。笑顔や正しい姿勢を心がける。
  • ビジネス電話の基本…明るさ、丁寧さ、正確さ。