迷子にならないように
資料は、分類・保存すればそれで終わり、というわけにはいきません。
必要に応じて貸し出したり、一定の保存期間を過ぎたものと新しいものを入れ替えたりします。
資料の紛失が起きやすくなるのは、こんなときです。
他部署に貸し出したまま、資料が行方知れずになったりすると、とても厄介です。

資料の紛失を防ぐために、日頃から資料管理を徹底することが重要です。では、具体的にはどのような方法で資料を管理すればいいのでしょうか。
資料の貸し出し
他の部署から、資料の貸し出しを求められることは少なくありません。
貸し出しに伴うルールをきちんと決め、部署の内外に周知しておくことが必要です。
資料を貸し出す際には、貸出ガイドを利用すると良いでしょう。
事務用品売り場などで目にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
貸出ガイドには、「貸出先(部署・社員名)」「貸出日」「返却予定日」「書類名」などを記す欄があり、ガイド右端の山の部分に「貸出」と表示してあります。
貸出ガイドの所定の欄にすべて記入してもらってから、資料を貸し出します。
その際も資料を裸のままではなく、封筒に入れてから手渡すようにしましょう。
貸出ガイドは、貸し出した資料のあった場所に、資料の代わりとして挟んでおきます。
資料が返却されたら、破れがないか、複数貸し出した場合は漏れがないかを確認してから元の場所へ戻し、貸出ガイドを抜き取ります。

移し替えと置き換え
古くなった資料は新しい資料に場所を譲りますが、すぐに廃棄してよいわけではありません。
保管期限が過ぎるまでは、オフィス内の手の届きやすい場所から邪魔にならない場所へ、オフィス内から倉庫へ、倉庫内でも手前から奥へ、といった具合に移動していきます。
一般的に、資料を室内の別の場所に移動させることを「移し替え」、室内から別の場所(倉庫や書庫など)へ移動させることを「置き換え」といいます。
資料の保管期限については社内ルールに則る必要がありますが、前年度までの資料はオフィス内に保管しておくと便利です。
資料を移し替えるときは、よく使うもの(最近のもの)を手の届くところに置き、古くなるに従って少しずつ遠くへと移動していきます。
デスクの引出し→デスク後ろのキャビネット→オフィス奥のロッカー、という風に考えるとわかりやすいと思います。
保管場所自体は変えずに、たとえばキャビネットの中で順番を変える場合でも、一番上の段に直近のものを入れ、古くなるに従って下の段へと移動するようにします。
段の中でも、新しいものを手前に、古いものほど奥へ行くように収納しましょう。
いつになったら捨てるの?
繰り返しになりますが、資料の保管期限は社内ルールで規定、周知し、社員もそれをきちんと守る必要があります。
各部署や個人に任せたりすると、必要なものがとっくに捨てられていたり、10年も前の資料がいまだに残っていて場所をとっていたりと、混乱するだけです。
しかし、保管年限を法律で決められている文書もあり、法定保存文書と呼ばれます。
登記に関する書類や、株主総会の議事録、決算書や帳簿類などの重要文書がそれです。
下の表に、主要な文書の保存年限をまとめてあります。

これらの重要文書は、他の文書と間違って廃棄されてしまうようなことの無いように、
しっかりと区別して保管しなければいけません。
Lesson 7-2 まとめ
- 資料の貸し出しに伴うルールを決め、貸出ガイドを使う。
- 資料を室内で別の場所に移動させる「移し替え」、室内から別の場所へ移動させる「置き換え」。
- 資料の保管期限について社内で統一したルールを作る。重要文書の保管年限は法律の定めるところに従う。