Lesson 7-1 資料整理とファイリング

あれがどこにあるかわかる?

今までのレッスンでは、ビジネス文書の作成や郵便物の受発信などを学んできました。
毎日書類を作ったり、受信したりしていれば、当然手許に書類がたまっていきます。

書類の書き方や効率的な連絡の方法については熱心になれても、発生した書類の整理ということになると、つい後回しになってしまいがちです。
「今の業務には関係ない」「空いた時間にやればいい」等々…。その気持ちもわかります。
でも、「あのときの資料どこにあるかわかる?」と聞かれてもすぐに答えられない人や、デスクに書類が山積みになっている人を、同僚は信頼してくれるでしょうか。

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また企業には、求められた際には情報を公開して説明を果たす責任もあります。
部課内の資料の保管に気を配り、保管期限などのルールを周知することも事務職の大切な仕事です。

整理整頓は仕事の基本です。
書類の他に、名刺なども含めた資料全般の管理方法を、Lesson 7では学んでいきたいと思います。

事務職では自分個人の資料を管理する場合と、部課の資料すべてを管理する場合の2つがあります。
扱う量や種類は少し異なりますが、資料管理の基本は一緒で、どんな資料がどこにあるのかを把握しておくことです。

資料整理の方法いろいろ

まずは資料を分類して整理します。その整理法にもいろいろな種類があります。まずはそれぞれの特徴を見てみましょう。

  • 表題別整理…資料のタイトル(表題)をそのままファイル名にして資料をまとめる整理法です。請求書や売上月報など、帳票を管理するのに向いています。
  • 主題別整理…資料を内容(主題)別にまとめる整理法です。資料や書類を内容から探したい場合に適しています。主な用途は新聞・雑誌の切り抜き、カタログの整理などです。
  • 相手先別整理…相手先別に資料を整理する方法で、受信文書の管理に向いています。発信文書のコピーも一緒にファイリングしておくことで、やりとりの推移が確認しやすくなります。会社別、部署別、個人別など、用途に応じて使い分けます。
  • 一件別整理…特定のプロジェクトや取引、行事など、案件ごとに関係資料をまとめる整理法です。わかりやすい反面、量も多くなりがちなので、ファイルを複数に分割するなどの工夫も必要です。
  • 形式別整理…文書を形式別に整理する方法です。年賀状や暑中見舞いなど、社交文書の整理に向いています。

ファイリングシステム

分類した資料は、ファイルやフォルダに入れて保存しておくのが一般的です。
ファイリングシステムにもいくつかの種類があります。

  • バーチカルファイリング…資料を綴じずに、フォルダに挟んで、キャビネットなど引出し式の什器に立てて保存します。ここから、「バーチカル(垂直)ファイリング」と呼ばれています。
  • 薄冊式ファイリング…2穴式のバインダーに資料を綴じて保存します。
  • ボックスファイリング…バインダーやファイルに綴じた資料をボックスに入れて保存します。

これらのファイリングシステムには、それぞれ長所・短所があります。

バーチカルファイリングは、資料を綴じずに保存するので、穴あけをする必要がなく、資料をすぐに取り出すことができます。
不要になった書類もすぐに抜き取って捨てることができます。
しかし裏を返せば、資料の順番が狂いやすく、紛失もしやすいということにもなります。

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それとは対照的に、薄冊式ファイリングは穴あけの手間はかかるものの、資料の紛失や順番が狂う心配は減ります。
短所としては、綴じる資料の量に関わらず、バインダー1冊分のスペースを必要とすることが挙げられます

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使う人の目線よりも低い位置に置かなければいけないバーチカルファイリングとは違って、ボックスファイリングは高い位置に保存することができ、持ち運びにも便利です。
しかし、ボックスと中に入れるバインダーの2種類が必要になることや、やはり資料の量に関わらずボックス1つ分のスペースをとることが短所といえます。
ボックスファイリングは、「短期保存」よりも「長期保管」に向いている方式といえるでしょう。

資料の整理方法もファイリング方法も、長所と短所を把握して、用途に適したものを選べるようになりましょう。

Lesson 7-1 まとめ

  • 資料整理方法…表題別整理、主題別整理、相手先別整理、一件別整理、形式別整理。
  • ファイリングシステム…バーチカルファイリング、薄冊式ファイリング、ボックスファイリング。
  • それぞれの長所・短所を把握する。