ほんのちょっとの工夫
プレゼンテーション資料を作成する上で大切なことを前回勉強しました。簡単に振り返ると、
- 情報の量
- 余白の大きさ
- デザインの統一感
一目で内容が伝わるようにするには、以上3つを心がける、ということでした。
「情報の量」は文章にもページのデザインにも共通して言えることですが、あとの2つはデザインに関することです。
特別に凝ったことをする必要はないことも前回お伝えしましたが、ほんのちょっとの工夫で、格段にわかりやすい資料を作れることも、また確かです。
今回はその「ほんのちょっとの工夫」について、簡単に見ていきたいと思います。

スキーム図
プレゼンテーションでは、スキーム図をよく利用します。
スキーム(scheme)を辞書の通りに読んでみると、「枠組みを伴う計画」となります。そう言われたところでなかなか意味が掴めませんが、「時系列」と「組織性」を伴う「計画」と捉えておきましょう。スキーム図はこれを図にしたものです。
物語のあらすじを図にしたもの、と言えばわかりやすいでしょうか。
しかし、ここで考えてみたいのはスキーム図の定義ではなく、スキーム図を作る際、配色や図形の配置にほんのちょっと気を配るだけで、見やすさが大きく違ってくるということです。
言葉で説明するよりも実際に図を見ていただいたほうが早いと思います。

いかがでしょうか。どちらもスキーム図を構成する要素の数と、おおまかな配置は同じです。でも、各要素を等間隔に配置すること、カラーを同系色でまとめることを意識した②のほうが、①よりも格段に見やすいのがわかっていただけるはずです。
どちらの図を使っても、内容が伝わらないということはないと思いますが、図をパッと見たときに受ける印象も、やはり大事です。
円グラフ
スキーム図と同じように、円グラフを使う機会も多いでしょう。

円グラフでは、基線(時計でいうと12時の位置)から数値が大きい順に時計回りで描いていくのが一般的です。
上の図では左側にあたります。
ただし、アンケートの解答を集計した場合などは、設問に書かれている順に数値を並べていきます。

Power Pointなどのオフィスソフトを使うと、上の図のように円グラフにも様々な効果を付けることができます。
ここでも大切なのは、内容を伝えるために最良かどうかを考えることです。
見る側の視点を忘れると、「私はこんなにソフトを使いこなせる」という自己満足に陥ってしまいがちです。
あくまでも、どうすればプレゼンテーションの内容が伝わるかを第一に考えましょう。
棒グラフ
棒グラフには、縦棒グラフと積み上げ棒グラフの2種類があります。(それぞれを横倒しにしたものもあります)これも、用途によって使い分けることが大切です。

ひと月ごとのお菓子屋さんの売上の推移を棒グラフにまとめてみました。
この場合は左側の積み上げ棒グラフのほうが、月ごとの全体の売上額と、商品ごとの売上額がわかりやすいと思います。
また、右側の立て棒グラフは数値がわかりにくいだけでなく、情報を詰め込みすぎて見づらくなってしまっていることも見てわかると思います。
Lesson 6-3 まとめ
- ほんのちょっとの工夫で、わかりやすい資料が作れる。
- スキーム図…要素を等間隔に配置し、同系色でまとめると格段に見やすくなる。
- 円グラフ…基線から数値が大きい順に時計回りで描いていくのが一般的。
- 棒グラフ…縦棒グラフと積み上げ棒グラフの2種類。用途によって使い分ける。