Lesson 6-2 わかりやすい資料を作るには

資料作成で仲間を助ける

前回は、資料作成の前段階、構成の作り方について学びました。
今回は実際の資料作成について見ていきます。

プレゼンテーションをするのが優秀な能力を持った社員であれば、資料自体はほんのちょっとの補佐的な役割をするだけで、ひょっとしたら不要といってしまってもいいかもしれません。
やはり一番力を持っているのは、言葉の説得力です。

しかし、必ずしもプレゼンテーションが得意な社員ばかりではありません。
優れた資料を作ることで、そんな仲間を影から支えることができます。

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パワーポイントは必須?

資料作成ではオフィスソフトを使います。もっとも一般的で馴染み深いのが、マイクロソフト社が提供している次の3つのソフトです。

  • Word(ワード)…「ワープロソフト」または「文書作成ソフト」とも呼ばれます。ビジネス文書を作成するときに活躍するソフトです。
  • Excel(エクセル)…「表計算ソフト」と呼ばれます。表を作成したり、作成した表の集計やグラフ作成ができます。
  • Power Point(パワーポイント)…「プレゼンテーションソフト」です。資料の作成から、プロジェクターに接続しての発表まで、プレゼンテーション全体で活用します。また、印刷物の作成などもできます。

今回はプレゼンテーション用の資料作成をメインに扱うので、ソフトでいうとPower Pointの領域になります。
しかし、必ずしもPower Pointを使って資料作成をしなければいけないという決まりがあるわけではありません。他にもプレゼンテーションソフトはいろいろあります。
Power Pointに取って代わる…?と噂の「Prezi(プレジ)」などは有名です。
ただ、他社に赴いてプレゼンテーションをする際の互換性などを考えると、現時点ではPower Pointがベストかもしれません。

しかし、当たり前の話ですが、資料作成にあたって大切なのは、「どんなソフトで作るか」ではなく、「どんな資料を作るか」です。
そのため、今回のレッスンではPower Pointにこだわらず、資料作成一般に共通のことを学んでいきたいと思います。

「見やすさ」がいちばん

プレゼンテーション用の資料を作る際、まず心がけたいのが、一目で内容が伝わるようにすることです。それには次の3つを意識する必要があります。

  1. 情報の量
  2. 余白の大きさ
  3. デザインの統一感

まず、情報の量です。ひとつのページ(スライド)に情報を詰め込み過ぎると、いちばん伝えたいことはどれなのか、判断が難しくなります。
パッと見ただけで読む気が失せてしまう人もいるかもしれません。
1ページに載せる情報は、ちょっと少ないかなと感じるぐらいでちょうどいいと考えましょう。
わかりやすい文章の書き方については、Lesson4-1も読んでおさらいしてみてください。

余白の大きさも、情報の量と関係します。余白が少なく、ぎっしりと文字や図表で埋め尽くされたページは、とても見づらいものです。次の2つの画像を見比べてみてください。

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情報を減らし、余白を大きくとった下の図のほうが、一目で内容が頭に入ってくると思います。
余白は大きくとるようにしましょう。

デザインの統一感というと難しく感じるかもしれませんが、特別に凝ったことをする必要はなく、カラーやフォントを揃えるだけでも出来上がりが変わってきます。
次の2つの画像を見比べてみてください。

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上の図では、見出しと本文でフォント(字体)が変わり、全体の色調も統一感に欠けます。
それに対して、下の図はフォントを統一し、全体をブルー系統の色でまとめてあります。
どちらのほうが見やすいか、一目瞭然だと思います。

1つのページを例にしてみましたが、プレゼンテーションではページが複数あることが普通です。
ページが変わるたびにカラーやフォントが変わると、統一感に欠け、見る人に内容が伝わりづらくなってしまいます。
プレゼンテーションソフトのテンプレートやマスターデザイン機能を使えば、すべてのページに簡単に統一感を持たせることができます。

フォントやカラーをすべて揃える必要はありません。
全体のデザインを統一しておけば、強調したい部分に他のページとは違ったフォントやカラーを使ったときの効果が一段とアップします。

配布資料

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会議や営業先で配布する資料の作り方も、ビジネス文書やプレゼンテーション用資料と基本的には変わりません。わかりやすさや見やすさを一番に重視します。

ただ気をつけなくてはいけないのが、配布資料は誰が読むのかわからないということです。
たとえば営業先では、必ずしも決定権を持つ社員がプレゼンテーションを聞いて資料を受け取ってくれるとは限りません。
直接関係のない人間が読んでもわかる内容にしておく必要があります。
専門用語をなるべく使わないようにしたり、使う場合でも註を付けるようにします。

それでも一番肝心なのは内容以前に、1ページ1ページが読みやすく綺麗なことです。
表紙をめくっても何が書かれているのかわからないような資料では、その先を読んでくれる人は少ないはずです。
担当者に渡る前に捨てられてしまう、そんな悲しい事態を防ぐ意味でも、誰が読んでもわかりやすい資料を作ることは大切です。

Lesson 6-2 まとめ

  • プレゼンテーション用資料は、一目で内容が伝わるものを心がける。
  • 情報の量…少なめに抑える。
  • 余白の大きさ…余裕を持って大きめにする。
  • デザインの統一感…フォントやカラーを揃える。
  • 配布資料は誰が読んでも分かりやすいものを心がける。