作成に取りかかる前に
会議や営業先でのプレゼンテーションに使う資料の作成も、事務職の仕事に含まれます。
裏方に徹する一見地味な仕事内容に見えるかもしれません。
しかし資料作成は、「縁の下の力持ち」的な性格を存分に発揮することができ、
人の役に立っていることを実感しやすい、とても事務職らしい業務と言えるでしょう。
今回は、資料作成にあたって心がけておきたいことを見ていきましょう。
伝えたいことを明確にする

資料を作成するときに大切なことは、ビジネス文書を作成するときと変わりません。
- 正確さ
- 簡潔さ
- わかりやすさ
以上の3つを心がける、つまり相手の視点に立つということです。
配布資料であれば、資料を配布される側に、
プレゼンテーションに使う資料であれば、プレゼンテーションされる側の視点に立って、
資料を作成します。
いま自分が作っている資料を、誰が、どんな場面で読むのか、常に考えながら資料を作成しましょう。会議の前にじっくり読み込む資料なのか、プレゼンテーションの際に補完的に目を通すだけの資料なのか。読まれるシチュエーションが変われば、資料の作り方も変わってきます。
読んでもらうために
まず、きちんとした構成を考えることが必要です。
構成は「ストーリー」と言い替えることもできます。
資料は読んでもらえなければ意味がありません。
しっかり最後まで読んでもらうためには、明確で分かりやすい「ストーリー」が必要です。
ストーリーは「流れ」です。明確な流れがあれば、読み手も身を任せやすくなります。
全体の構成を考えずに、とりあえず手を着ける、という風に資料を作成していくと、
散漫で何を伝えたかったのか、よくわからないものになってしまいます。
資料が完成すればまだ良いほうで、途中で展開を見失って最初から作り直すなんてことにもなりかねません。
作業の効率性から見ても、最初に構成を考えることはとても重要です。
構成さえ決まれば、どんなデータや写真資料の手配が必要か、グラフや図表を作成する必要はあるかどうかを把握でき、作業のスケジュールも立てやすくなります。
ゴールからスタートする
まず、資料が伝えたいことは何かを明確にします。
次に、そこまでの道のりを考えるわけですが、大切なのはゴール地点(伝えたいこと)から逆算してスタート地点を導き出すことです。
スタート地点はどこにでも設定できます。
それは裏を返すと、どこが一番ふさわしいスタート地点なのか見極めるのが難しいということでもあります。ゴール地点から逆算していくことで、正しいスタート地点を設定することが出来ます。
では、逆算するとはどういうことでしょうか。
単純にいうと、「問いかけを繰り返す」ということです。
たとえば、ある商品をアピールする場合、伝えたいことは「この商品は買う価値があります」ということです。そこから問いかけを繰り返していきます。
「なぜ買う価値があるのか」→「買うことで御社にメリットがあるから」→「それはどういうメリットなのか」→「機能面でこんなメリットがある」→「それは他社製品では得られないものか」→etc……
このように問いかけを繰り返していくと、アピールするポイントを見極めながら、スタート地点にたどり着くことが出来ます。
上の例で見ると、スタート地点は「他社製品との機能面の違い」になりそうです。
このような問いかけをいろいろな角度から行なっていきます。
ロジックツリーを使う
また、ロジックツリーを使うのも有効です。
基本的な考え方は変わりませんが、論理的に話を展開していくことに慣れていない人でも、
ロジックツリー方式を使うと、いま自分がどこにいるのかが一目で分かります。

このようにして構成ができあがれば、あとは実際に作成に取りかかるだけです。
次回は、資料の作り方について見ていきたいと思います。
Lesson 6-1 まとめ
- 資料作成の基本は、相手の視点に立つこと。
- 資料の作成に取りかかる前に、きちんと構成(ストーリー)を考える。
- 伝えたいことを明確にして、そこから逆算して構成を作っていく。
- ロジックツリーを使うのも有効。