Lesson 5-4 郵便物の受発信

ハンコとポスト、だけじゃない

会社には、毎日たくさんの文書や荷物が届きます。
同じように、社内からの文書の発送も毎日行ないます。
特に規模が小さめの会社では、これら郵便物の受発信業務も事務職の大切な仕事になっています。
受発信といっても、ただ郵便物を受け取ってハンコを押したり、荷物に最適な発送方法を考えるだけではありません。
受発信業務の際に、気をつけなければいけないことや手順について詳しく見ていきたいと思います。

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受信業務の手順

会社に届いた郵便物は、一般的には総務事務の担当者が受け付けます。
まず、誤配がないかどうかを確認したら、次のような手順で受信業務を進めます。

  1. 仕分けする…まず、送付先の部課ごとに郵便物を仕分けしていきます。それをさらに、書留、私信、DMなど、種類別に分けます。
  2. 開封する…書留・親展や私信以外の、開封して配布する封書は、中の文書を切らないように開封します。文書を上にして、封筒と一緒にクリップ止めします。
  3. 受付印を押す…未開封のものは封筒に、開封したものは封筒と文書の両方に受信印を押します。文書の余白に押すように注意しましょう。受信印を押したら、「受信簿」に郵便物の発信者名や種類などを記録していきます。
  4. 配布する…受信簿への記録が終わったら、それぞれの部課へ配布します。同じ文書を2つ以上の部課に渡す場合はコピーをとります。部課の担当者に文書を確認してもらい、受取印を貰います。

上の手順は、比較的小さな規模の会社で、社に届いた郵便物すべての受信業務を担当する場合を想定しています。
会社の規模が大きくなれば部や課に届けられた郵便物を、秘書であれば自分のついている上司に届けられた郵便物を、それぞれ担当することになります。

開けてもいい?

受信文書には、ビジネス文書ではない、個人宛ての私信も含まれています。
私信は送られた本人以外が開封してはいけません。
また、私信以外でも、以下のような場合は文書を開封してはいけません。

  • ビジネス文書ではあっても、書留や「親展」と書かれているもの。「親展」は、「本人が開封してください」という意味です。
  • 「秘」扱いの文書。通常、「秘」扱いの文書には「親展」と記入されていますが、ごく稀に記入されていないものもあります。
  • 私信か業務上の文書か判断できない場合。たとえば、差出人名に会社名が含まれていなかったり、社名入り封筒の社名部分が二重線で消されている場合などです。

以上に当てはまらない文書は、開封してから配布します。

発信業務の手順と注意点

発信業務には、特に決まった手順はありません。
封筒の書式が間違っていないか、発送方法に見合った切手を貼っているかなどをチェックし、「発信簿」に、発信日、宛先、発信部課名、発信人名、文書の種類などを記録します。

また、送料などを支払った際は必ず領収書を受け取るようにします。

ここでも心遣いを忘れずに

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受発信は毎日のルーティンワーク的な性格の強い業務です。
効率的に仕事をこなすためにも、なにより楽しんで仕事をするためにも、心遣いやちょっとした工夫が大切です。
受け取った社員がスムーズに文書を確認できるように配慮しましょう。

  • 文書を配布する際は、速達扱いの文書や「至急」と書いてあるものを一番上に重ねるようにすると親切です。
  • 見積書などの場合は検算して間違いがないかチェックしてから配布しましょう。
  • こちらからの往信に対する返信が来たときは、往信のコピーを添えると、内容の把握がしやすくなります。
  • 事務所の移転届けや挨拶状の場合も、同様に名刺や名簿のコピーを添えて渡しましょう。
  • 明らかに不要と思われるDMなどは省いてしまっても構いません。

Lesson 5-4 まとめ

  • 受信業務…仕分け、開封、受付印と受信簿への記入、配布。
  • 開封してはいけない文書…書留、「親展」と記入してあるもの、私信かビジネス文書か判断できないもの。
  • 発信業務…書式などのチェック、発信簿への記入。
  • 配布する際は速達扱いの文書や「至急」と書いてあるものを一番上に重ねるようにする。
  • 往信に対する返信や移転届けが来たときは、往信のコピーや名刺を添える。