Lesson 5-3 はがき・封筒の書き方

気を抜かないで

はがきや封書には、皆さんも日頃から親しんでいることと思います。
基本的な書き方は、ビジネスでも大きな違いはありません。

しかし、取引先やお客様との文書のやりとり、特にはがきや往復はがきでのやりとりは、儀礼的な意味合いが大きいものなので、書式や言葉遣いにはとりわけ注意したいところです。
日頃から親しんでいる分、気が抜けてしまいがちなのがはがきや封書の書き方です。

はがきの宛名面

はがきの宛名面は図のように書きます。

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住所は、右端2つの郵便番号枠の真ん中を中心線にして書き始めるとバランスがよくなります。住所を省略することは失礼にあたりますので、郵便番号、都道府県名もきちんと書きましょう。

社名は、住所よりも少し小さめの文字で、一段下げて書きます。
社名も省略して書くのはマナー違反です。
つい(株)と書いてしまいがちですが、きちんと「株式会社」と書きましょう。

受取人の氏名は大きな字で書きます。
左3桁の郵便番号枠の真ん中を中心線にして書くとバランス良見えます。

個人宛てに送る場合、役職に「様」は付けません。
「様」は氏名にだけ付きます。
他に「殿」という敬称もありますが、「殿」は同格か格下の相手に対して用いる敬称という考え方が強くなってきているため、特別な事情がない場合は使わないほうが良いかもしれません。
部・課に対して送る場合は「御中」を使います。

また、使う機会は少ないかもしれませんが、「先生」「様方」「気付」の意味も押さえておきましょう。

  • 先生…教育関係者や、一般的に先生と呼ばれることの多い特定の職種(会計士、医師など)に宛てるときに使います。
  • 様方…個人宅宛てに文書を送るとき、宛先の世帯主と受取人の苗字が異なる場合に使います。
  • 気付…送付先住所の企業(団体)に所属しない相手に、その企業(団体)を介して文書を届けたいときに使用します。たとえば、ホテルに宿泊中の相手や、ある企業の事務所を一時的に間借りしている企業に文書を送る場合などがこれに当てはまります。

既に印刷されたものを使う場合もありますが、そうでないときは、差出人の住所と社名も省略せずに書きます。

はがきの通信面

はがきの裏側、文章を書く面を通信面と言います。通信面にシールなどを貼り付けることも出来ますが、6gを超えてしまうとはがき扱いではなくなってしまうので気をつけましょう。
シールや紙を貼るときも、丁寧に見た目が美しくなるように気を配ります。

往復はがきの「返信用はがき」の宛名面

往復はがきの「返信用はがき」で返事をする場合を見てみましょう。
宛名面には、すでに宛名が印刷してあります。
通常、受取人名の下には「行」と書かれているので、これを二重線で消して、正しい敬称を横に書きます。

往復はがきの「返信用はがき」の通信面

往復はがきは招待状や出欠の確認を目的として送られてくることがほとんどです。文面も印刷されています。

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このとき、該当するほうを丸く囲みますが、該当しないほうも二重線で消します。また、たとえば出席する場合は、「御出席」の「御」も二重線で消します。

出席、欠席どちらの場合でも一言添えるのがマナーです。
出席するときは、「喜んで出席させて頂きます」など、簡単なもので良いでしょう。
欠席する場合は、「多忙のため」など時間が無いことは理由にしないで、出張や先約など相手が納得できる理由を添えましょう。

封筒の書き方

社名入りの封筒を使います。
送付する書類に合った大きさのものを選びます。
小さすぎたり、大きすぎたりすると見映えも良くありませんし、料金が余分にかかる場合もあります。

封筒には縦書きと横書きの2種類があります。
横書きの場合は、切手を貼る位置が右上に来るようにします。

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基本的な書き方は、はがきと変わりません。
切手の下に消印を押すスペースを空けておくと見映えが良くなります。
社名が入っていない封筒の場合は、差出人名を封筒の裏側、右下に書きます。

また、「請求書在中」「親展」などを朱書きする場合は、受取人名から少し離して左側に書きます。

Lesson 5-3 まとめ

  • 宛名面は、全体のバランスに気をつけて書く。
  • 受取人の住所、社名は省略しない。
  • 出欠についての返事を返信用はがきで送るときは、該当しない選択肢や自分への敬称も二重線で消す。出欠どちらの場合でも一言添える。