FAXもビジネス文書
これまで見てきたビジネス文書は、おもに郵送したり、社内で回覧するものでした。 しかし文書の送り方はそれだけではありません。FAXやメールもビジネス文書の一種です。
FAXにはFAX特有の、メールにはメール特有の利点や注意点があります。今回はFAXについて学んでいきましょう。

FAXだから気をつけること
日々の生活の中では使う機会が少しずつ減ってきているような印象も受けるFAXですが、ビジネスの現場ではまだまだ活躍しています。
FAXで送る文書であっても、基本的にはこれまでに学んだ社外文書、社内文書と同じ書式で構いません。
ただし、封書で送る場合と違って、FAXで送信した文書は相手だけが見るというわけにはいきません。むしろ、不特定多数の人に見られるのが普通だと考えておいたほうがよいでしょう。
また、FAXには誤送信というリスクもあります。
間違い電話の場合は、間違ってかけた相手に謝ってかけ直せば済みますが、
FAXの場合は、送信した情報が見知らぬ相手の手許に残ってしまうのが恐いところです。
そのため、第三者に知られてはいけない個人情報や機密情報を含む文書は、絶対にFAXで送受信してはいけません。
もし、取引先の機密情報を書いた文書をFAXでやりとりしていた、などということになると、会社全体の信用を落としてしまいます。
送り先の用紙を大量に消費することはマナー違反です。
書類の量が多い場合もFAXで送信することは控えるか、相手の了解を得てから送信するようにしましょう。
送付状を送る
FAXで書類を送信する場合は、必ず送付状を添付しましょう。

- ①受信者名…この文書を受信する会社(個人)の所在地、会社名、部課名、役職名、個人名などを書きます。敬称をつけることを忘れずに。
- ②発信者名…送信元の社名、部署名、担当者名、連絡先(電話番号、FAX番号の両方)を書きます。受信者名よりも低い位置に来るようにしましょう。
- ③件名…「書類送付のご案内」など、簡潔なものが一般的です。
- ④本文…簡単な挨拶と、これから送信する書類の内容を書きます。
- ⑤送信枚数…複数枚を送信するときは、書類の合計枚数を必ず書きましょう。
送付状があれば、書類はすべて送られてきたかどうか相手も確認しやすくなります。
インターネット上からフリーで使用できるテンプレートをダウンロードして使用しても良いでしょう。
すべてのページに通しナンバーを振っておくことも、抜けがないかを簡単にチェックするために便利な方法です。
また、相手への電話確認も忘れずにしましょう。
送信前には「これからFAXを送ること」を伝え、送信が終わったら、「きちんと枚数分届いたかどうか」を確認するようにします。
ほんの少しの手間を惜しまないことで、ミスは確実に防ぐことが出来ます。
送信し終わったからといって、書類をすぐに破棄してはいけません。
相手からの質問が来たり確認が必要となる場合もあるので、送信後もしばらくの間は保管しておきましょう。
Lesson 4-9 まとめ
- FAXは不特定多数の人の目に触れる。機密情報、個人情報は送らない。
- 送信する書類の量が多い場合は、FAXで送信するのを控えるか、相手の了解を得てから送信する。
- 必ず送付状を添付し、すべてのページに通しナンバーを振っておく。
- 送信前後に電話で確認をとる。