回覧文書ってなに?
回覧文書は社内文書の一種です。
前回学んだような書式がある程度決まっている文書よりも、さらに実用に特化した文書ということもできるかもしれません。
回覧文書の特徴は、その名の通り社員のあいだで回覧(回し読み)をするということです。
忙しい業務の合間に目を通さなければならないものですから、わかりやすさがいちばん大切です。
回覧文書の書式
回覧文書にはいろいろな用途があります。
人事異動や組織変更などの、わりと堅い内容から、社員の慶弔についての連絡、さらには社員旅行や新年会のお知らせと出欠確認など。
用途によっては、あまり書式にこだわる必要はないかもしれません。
そうはいってもやはり、最低限これだけは記載しておかないといけない、という事項はあります。

- ①発信日付…文書を発信した日付(年月日)を書きます。元号を使うのが一般的です。
- ②受信者名…「関係者各位」が一般的です。
- ③発信者名…部課名と個人名、もしくは部課名のみを書きます。
- ④件名…通常のビジネス文書と同様に、簡潔で分かりやすいものを心がけます。件名の後に「通知」「案内」「報告」などを付記します。
- ⑤本文…用件を述べます。丁寧である必要はありません。Lesson 4-6も参照して下さい。
- ⑥記(記書き)…中央に「記」と書いて、その下に日時や場所などを箇条書きにします。箇条書きの場合、文体は「ですます」調である必要はなく、「である」調にしても大丈夫です。
- ⑦追記…本文や記書きについての補足事項がある場合は、追記で補足します。
- ⑧担当者名…部署、氏名、連絡先を書きます。問い合わせ先の意味もあるので、メールアドレスや内線番号など、連絡先を記すことを忘れないように気をつけます。
みんな読んだ?

事務職にとって、回覧文書は作成よりも、“そのあと”が厄介かもしれません。
たとえば部内で回覧する文書の場合、部内の何人が読んだのか、今文書が誰の手許にあるのかを把握するのは意外と大変です。
最悪の場合、一人一人に「回覧文書は読みましたか?」と訪ねてまわった結果、整理整頓が苦手な社員のデスクに埋もれているのを見つけた、なんていうことにもなりかねません。
ムダなイライラを避けるためにも、回覧文書には必ず、文書を確認したら捺印する回覧先のリストを添付しましょう。
添付書類としてホチキスで綴じたり、回覧文書の余白に捺印欄を作ったり、形式は自由です。
ちょっとした工夫で、誰が見たのか、見ていないのかが一目瞭然になり、面倒なことを防ぐことができます。
リストには必ず、「最後の人は○○(担当者名)までお願いします」という一文を添えて、文書をどこに返せばいいのか、はっきりわかるようにしておきます。
資料の綴じ方
用紙をタテに使い、横書きで書かれた文書は、左肩をホッチキスで綴じます。添付資料も同じ書式で書かれている場合は問題ありませんが、資料の判型や向きが違う場合もあります。
たとえばA4タテの文書の中にB5ヨコで作成された資料を挟む場合は、順に資料をめくっていけばそのまま読めるように、B5ヨコもそのまま左肩で綴じ、はみ出した部分を折り込んで回覧します。

Lesson 4-7 まとめ
- 回覧文書は、社員のあいだで回覧する文書。わかりやすさが求められる。
- 文書を確認したら捺印する回覧先のリストを添付し、ムダな手間を防ぐ。
- 横書きの書類は左肩で綴じ、はみ出した部分は折り込む。