Lesson 4-6 社内文書の書き方

社内とはいっても

社内文書は、読むのも社内の人間なので、社外文書とは違い時候の挨拶などは省略して書くことができます。社外文書では文章の格調高さも求められますが、社内文書の場合は、むしろなるべく簡潔に、わかりやすく書くことが求められます。とはいっても、気を抜いて書いてもかまわないというわけではもちろんありません。 最低限にとどめるといっても、読み手に対する敬意を忘れずに文書を作成しましょう。

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社内文書の書式

社内文書の基本的な書式はこの図のようになります。
前回学んだ社外文書と比べると、前文や末文など、主に挨拶を述べていた部分が省略されていることが分かると思います。
今回もLesson 4-3を一緒に参照しながら、社内文書の書式を見ていきましょう。

  • ①文書番号…発信部課の略称と年度、連番を記します。文書番号は整理や保管の必要がないものには付けません。
  • ②発信日付…文書を発信した日付(年月日)を書きます。元号を使うのが一般的です。
  • ③受信者名個人名は使わずに、役職名を書きます。また、同じ内容の文書を複数の相手に宛てて出す場合は、「関係者各位」などと書きます。
  • ④発信者名…③受信者名と同様に、個人名は使わず組織単位(部や課)の責任者名を用います。
  • ⑤件名…簡潔で分かりやすいものを心がけます。件名の後に「通知」「案内」「報告」などを付記します。
  • ⑥本…用件を述べます。詳しくはLesson 4-4を参照して下さい。
  • 記(記書き)…中央に「記」と書いて、その下に日時や場所などを箇条書きにします。
  • ⑧追記…本文や記書きについての補足事項を書きます。たとえば、記書きに場所を書いた際は、駐車場の有無などを追伸で補足します。
  • ⑨添付資料…地図や表など、添付した資料がある場合は、その名前と枚数を箇条書きにします。
  • ⑩担当者名…部署、氏名、連絡先を書きます。④発信者名に書くのはあくまでも責任者名で、文書内容の実質的な担当者はこちらに書きます。問い合わせ先の意味もあるので、メールアドレスや内線番号など、連絡先を記すことを忘れないように気をつけます。

また、文書の終わりを示す「以上」は社内文書の場合、必ず付けなければいけません。
ただし、担当者名の後に書くことのないように注意しましょう。

敬語表現は最低限に

社内文書とはいっても、本社から支社、営業所から本社、各部署から幹部職など、ほとんど面識のない人間に対して書くケースも少なくありません。最低限の敬意は忘れないようにしたいものです。

そうはいっても、いちばん重視されるのは簡潔さとわかりやすさです。
必要以上の敬語表現の使用は控えることが求められます。
たとえば、「〜致します」は「〜します」に、「お願い申し上げます」は「お願いします」にすることで、読みやすさは格段にアップします。

Lesson 4-6 まとめ

  • 社内文書は簡潔さとわかりやすさが求められる。
  • 時候の挨拶、必要以上の敬語表現などは省略する。
  • 受信者名に個人名は使わず、役職名を書く。発信者名にも個人名は使わず、組織単位(部や課)の責任者名を書く。
  • 文書の最後に「以上」を必ず付ける。
  • 文書内容の実質的な担当者は文書の最後に書く。問い合わせ先の意味もあるので、必ず連絡先を記す。