Lesson 4-1 ビジネス文書を書くには

文書主義の原則

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ビジネスには「文書主義の原則」という言葉があるのを知っていますか。

仕事は、社内や社外を問わずたくさんの人々とのコミュニケーションによって進められていきます。
当然、多くの情報が行き交うことになります。
それらの情報をきちんと文書の形で残そうというのが、「文書主義の原則」です。

口頭のやりとりだけでは記録が後に残らず、聞き間違いや伝達ミスなども起こりやすくなりますが
文書なら確実に保存され、記録や証拠としての役割を果たしてくれます。

事務職の仕事では、社内文書や社外文書など、ビジネス文書を作成する機会も多くあります。
電話の場合と同じように、情報を正確にわかりやすく伝えることがもっとも重要です。
ビジネス文書特有の書式やルールもあります。

その最低限の書式とルールさえ覚えてしまえば、自分でゼロから文書を作成する必要はほとんど無いということでもあります。

文書の書き出しをどうすればいいのか悩みに悩む、というようなことはほとんどありません。
〈作文〉や〈レポート〉には苦手意識があるという方でも、〈ビジネス文書〉に苦手意識を持つ必要はないのです。

今回はイントロダクションとして、ビジネス文書を作成する際、特に気をつけなければいけないことについて学んでいきたいと思います。

相手の視点に立つこと

繰り返しになりますが、ビジネス文書を書くときに意識すべきことは、次の3つです。

  • 正確さ
  • 簡潔さ
  • わかりやすさ

一言でまとめると、相手の視点に立つということです。
「自分はこんなことを伝えたい」という思いをいったん脇に置いて、
「相手が求めているのはどんな情報だろうか?」
「読みにくい文章になっていないだろうか?」と常に意識しながら書くことが大切です。

ビジネス文書には、これらの点に特化して少しずつ洗練されてきたフォーマットが既にあります。
ですから、そこにはめこむ内容の精度を上げることで、よりいっそう読みやすいものを作ることができます。

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わかりやすく

ビジネス文書は原則として横書きで作成します。
ただし、招待状や慶弔などの社交的な文書の場合は縦書きの場合もあります。

難しい表現を使う必要はありません。
分かりやすい言葉遣いで書くことが求められます。
一目見ただけで内容が分かるようなタイトルや、重要箇所にアンダーラインを引くことも効果的です。

また、一つのセンテンスをできるだけ短くすることも大切です。
目安としては50字程度が良いとされています。もっと短くてもいいでしょう。
「~ので」「~について」「~から」「~という」などの接続詞が多いと、文章は長く読みにくくなります。読んだ印象も良くありません。
接続詞はできるだけ使わないように意識するだけでも、文章の出来上がりは変わってきます。

ビジネス文書は原則として、1文書1案件です。
ひとつの文書に複数の用件を盛り込むと煩雑になりますし、ファイリングなど整理の際にも手間取るためです。

〈会社として〉書くということ

ビジネス文書の主体は〈私〉ではありません。
〈当社〉や〈当課〉など、自分の所属している組織が主体となります。
社内に宛てた文書ももちろんですが、社外に向けて発信された文書は会社の公式なメッセージとなります。
一定期間保存され、記録能力や証拠能力が発生します。場合によっては公開されることもあります。

そのため、書きやすい部分もあるビジネス文書ですが、伴ってくる責任の大きさは私文書(プライベートで書く手紙やメール)よりも大きくなります。
書き終わったら必ず上司にチェックしてもらいましょう。
〈会社として〉書くことの責任を自覚して、きちんとしたビジネス文書を作成することが重要です。

Lesson 4-1 まとめ

  • 文書主義の原則…ビジネス上の記録を文書で残すこと。
  • ビジネス文書で大切なこと…正確さ、簡潔さ、わかりやすさ。
  • 1文書1案件。
  • 相手の視点に立って書く。会社として書く。
  • 横書きで、分かりやすい言葉遣いで、短いセンテンスで、書く。