内と外

ビジネス文書には大きく分けて、社内文書と社外文書があります。

また、ビジネスに直接関わる文書の他に、挨拶などの儀礼的な役割が大きい社交文書があります。

社交文書を含めて3種類、それぞれどのような文書が含まれているのか、見ていきましょう。

社内文書

社内文書は、社内の人間に向けて作成する文書です。
大きく分けて、上司から部下に宛てたもの、部下から上司に宛てたものの2種類があります。
また、読むのは社内の人間なので、時候の挨拶などは省略しても構いません。
主に以下のようなものがあります。

稟議書…担当者が案を作成して、決定権を持つものにお伺いを立てる文書です。
　　　　起案書や立案書、回議書とも呼ばれます。
報告書…経過や事実などを報告する文書です。「出張報告書」、「調査報告書」、「研修実施報告書」、「研修参加報告書」、「営業日報」、「業務日報」など、さまざまな種類があります。
上申書…上司、上役に対して申し立てや報告などを行うための文書です。
始末書…自分や部下が犯した過失について、謝罪をするための文書です。
通知書…主に会社の上層部で決定したことを、関係部署の社員に伝える文書です。
進退伺…自分、もしくは部下が職務上、重大な過失を犯した際、辞職すべきかどうかを伺う文書です。
回覧文書…関係部署のみに回していく文書です。回覧先が添付、もしくは文書に記されています。読んだ人は捺印して次に回します。
案内文…研修会や健康診断の告知など、お知らせや案内を伝える文書です。社員に対する強制力はありません。

社外文書は社外に向けて作成する文書で、主に商取引上の目的で使用するものです。
主に以下のようなものがあります。

注文書…商品や備品の注文のために発注者から受注者に対して発行する文書です。金額や納期などの詳細が記されています。
依頼書…なんらかの依頼を行うための文書です。用件によって、見積依頼書、修理依頼書、提案依頼書など様々な種類があります。
承諾書…取引先の依頼、提案などを受け入れることを示す文書です。注文承諾書、支払い条件承諾書や、人事関係では採用内定承諾書、入社承諾書などがあります。
通知状…取引先などに情報を伝えるための文書です。出荷通知、着荷通知、送金通知、新製品取り扱い開始の通知など商取引上のものに限らず、オフィスの移転や年末年始営業などを通知する際にも使用します。人事関係では採用通知、不採用通知があります。
督促状…納品や入金、提案に対する回答などを催促する文書です。約束された期日を過ぎて約束が履行されない場合に使用します。場合によっては再督促、最終督促を送ります。
照会状…取引先に対して疑問点や不明点を確かめる際に使う文書です。在庫照会や納期照会、取引条件照会などがあります。

会社の外へ向けた文書ではあるものの、ビジネスとは直接関係のない、社交的、儀礼的な文書を社交文書といいます。
直接の関係はないといっても、取引先やお客様との関係を良好なものに保っていくためにとても大切なものです。
社交文書には、主に以下のようなものがあります。

挨拶状…個人の転任・就任の際や、新規開店、オフィス移転などの際に使用する文書です。
招待状…展示発表会やなんらかの式典・パーティーなどに相手を招待する際に使用します。
案内状…招待状と同じような性質のものですが、費用を主催者が負担する場合は「招待状」、会費などをとる場合は「案内状」を用います。
祝い状…個人の昇進・栄転や、新規事業所オープン、新社屋落成などの際に、お祝いの意を込めて送る文書です。
礼状…相手の厚意に対して感謝を伝える際に使用します。祝い状を頂いたらお礼状を出しましょう。
見舞状…個人が怪我や病気をした場合や、取引先が火事や災害にあったときに相手の安否を気遣って送る文書です。また、暑中見舞いや寒中見舞いも見舞状に含まれます。
悔やみ状…亡くなった方への哀悼の意を表して、慰めの言葉を贈る文書です。
紹介状…自分のよく知っている人を他者へ紹介する際に使用します。新しい取引先に社員を紹介したり、自分の後任の社員を紹介したり、用いられる場面の多い文書です。高い役職にある人が目下の人宛てに書く場合は、名刺の裏に書く場合もあります。