ビジネス文書は構成も3つ
前回は、社内文書、社外文書、社交文書の3種類のビジネス文書があることを学びました。
今回からは、ビジネス文書の内容について細かく見ていきます。
ビジネス文書は、構成も大きく3つの部分に分けることができます。
1つずつ見ていきましょう。

前付け
本題に入る前に記すものが前付けです。
文章ではなく、文書を管理するために必要な情報がメインです。
- 文書番号…この文書の作成者がどこであるのか明らかにしておくため、発信部課の略称と年度、連番を記します。たとえば、営業部が平成26年に作成した9通目の文書番号は、「26営発第09号」となります。社交文書には書きません。
- 発信日付…文書の発信日付(年月日)を正確に書きます。国内宛ての文書の場合は元号(平成)を使用し、外国企業、または外資系企業宛ての場合は西暦を使用します。
- 発信者名…所在地、会社名、部課名、役職名、個人名を書きます。
- 受信者名…会社名、役職名、個人名を書きます。宛名に当たるものなので、社名は省略さずにきちんと正式名称を書きます。
本文
ビジネス文書でもっとも重要なのが本文です。
相手に伝えたい情報を、「正確に」「分かりやすく」「簡潔」に書きます。
時候の挨拶なども本文に含まれます。
- 件名…どんな用件についての文書かを一目で分かるような、簡潔な件名を心がけましょう。また、件名の後に「通知」「案内」「報告」などを付記します。件名も社交文書には必要ありません。
- 前文…頭語から書き始めて、時候の挨拶、感謝の挨拶を続けます。頭語は文書での慣用表現です。次のページで詳しく解説します。
- 主文…件名の内容を具体的に述べる部分で、文書の中心となります。前文のあと、改行して1字空けて、「さて」「じつは」などの書き出しで始めます。重要な用件から先に、分かりやすい文章で書くことを心がけます。内容が込み入っていて複雑なときは、箇条書きにします。箇条書きの場合は、「記」として後付けに書きます。
- 末文…主文で述べた内容のまとめと、終わりの挨拶です。主文のあと、改行して1字空けて、「まずは」「とりあえず」「取り急ぎ」などの言葉から書き出します。いちばん最後に、頭語に対応した結語で文章を締めます。相手に好印象を残せる部分なので、丁寧に書くよう心がけましょう。
後付け
後付けも前付けと同じように、文書の管理に必要な情報がメインです。文書の同封物についての文章などを場合によって付け加えます。
- 記…本文(主文)で述べた用件についての詳細(日時、場所など)を箇条書きにします。
- 同封物…文書に同封物や添付書類があるときに書きます。同封物が複数ある場合は、番号を振ります。
- 追伸…本文内容について補足したいことや、特に注意してもらいたいことなどを書きます。本文から行頭を1文字分下げます。
- 担当者名…担当部課と担当者名を書きます。
では、具体的にはどのように文書を作成すればいいのでしょうか。
次回は、ビジネス文書の慣用表現について勉強します。
Lesson 4-3 まとめ
- 前付け…文書を管理するために必要な情報を書く。
- 本文…文書の中心。用件を簡潔に書く。
- 後付け…本文の補足や同封物について書く。