Lesson 2-4 敬語の種類

正しい敬語

まず、おさらいです。
電話で会話するときには、聴覚情報(話し方)、言語情報(話の内容)の2つが相手の印象を左右します。
前回は、声のトーンや話すスピードなど、話し方について学びました。
今回は、話の内容について、なかでもすべての基本となる敬語について勉強していきましょう。

そもそも敬語って何?

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では、そもそも敬語とはなんでしょうか。なんとなく理解されている方も多いと思いますが、ここでもう一度、ビジネスにおける敬語を定義してみましょう。

敬語とは、話している相手や、会話中の人物を敬っていることを表すための言葉です。

電話応対に即して言いかえると、〈話している相手〉は〈通話の相手〉、〈会話中の人物〉は〈通話内容に出てくる社外・社内の人物〉ということになります。また、〈敬う〉というのは〈目上の人として扱う〉ことです。

電話応対では、会社の顔として話すことを心がけなければなりません。
会社にとって大切な取引先やお客様を敬う気持ちを、きちんとした言葉遣いで表すことは、最低限のビジネスマナーです。
最低限のことが出来ているだけでも好印象につながります。

敬語の種類

敬語は大きく3種類に分けられます。

尊敬語…相手の行為や、相手に関係するものごとを高めて敬意を表す。

例) 「○○様がお越しになる」 「ご存知ですか?」

謙譲語…自分の行為や自分に関係するものごとを低めて、一歩へりくだることによって、間接的に相手を高めて敬意を表す。

例) 「私が参ります」 「承知しております」

丁寧語…自分や相手に関わらず、丁寧な言葉遣いによって、相手に敬意を表す。

例) 「いいお天気ですね」 「お見積書でございます」

また、ビジネスの現場に特有の言葉として、改まり語があります。
これは普段使っている言葉を丁寧にすることで、文字通り、改まった雰囲気を表します。
特に電話応対の場ではよく使われます。

例) 「あっち」→「あちら」 「じゃあ」→「では」

尊敬語と謙譲語

3種類の敬語のなかで、ややこしいとされるのが尊敬語と謙譲語です。
なんとなく国語の授業を思い出して、苦手意識を持ってしまう方も多いのではないでしょうか。

下の表で、ひとつの動作を尊敬語と謙譲語にそれぞれ言い換えるとどうなるのか、確認してみてください。

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もちろん、ここに挙げたものがすべてではありませんが、使う機会がとても多い言葉なので、覚えてしまうと便利です。
尊敬語には「~れる、~られる」「お(ご)~になる」、謙譲語には「お(ご)~いただく」「お(ご)~する」のような型があるので、それを参考にしても覚えやすいでしょう。

覚えるより身につける

とはいっても、一度にこれらの言葉を覚えるのは大変です。
たとえ覚えることはできても、すぐに使いこなせるようになるものでもありません。
実際に電話応対を経験しながら、少しずつ身につけていくのが一番の近道でしょう。
本物のビジネス会話でもある、先輩や上司の言葉遣いをよく聞いて、自分にフィードバックすることも大切です。

敬語の具体的な使い分けについては、Lesson 2-5で見ていきましょう。

Lesson 2-4 まとめ

敬語…話している相手や、会話中の人物を敬っていることを表すための言葉

  • 尊敬語…相手の行為や、相手に関係するものごとを高めて敬意を表す。
  • 謙譲語…自分の行為や自分に関係するものごとを低めて、一歩へりくだることによって、間接的に相手を高めて敬意を表す。
  • 丁寧語…自分や相手に関わらず、ものごとを丁寧に言うことによって、相手に対して敬意を表す。

敬う…目上の人として扱うこと。